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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

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作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/
IDインザダスト■私Z88は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。しかしそこは階級社会であった。
------------------------------------------
 彼女は偉大なる創造主であった。そして創造圭であるがゆえに悩
んでいた。ある種の人間的感情かもしれない。自ら構築した世界が
失駄作であると認める事は彼女の自尊心を深く傷つけざるを得なか
った。そういり自尊心を持つがゆえに彼女はあまりK人間的であっ
た。
 今や、彼女は憂罰状態にあった。
 巨大なピラミッドが男の前にそびえ立っていた。男の心に不安が
よぎった。立ち止まろうとする。理知的左顔立ちであった。あごの
a4r9 9Q9ZW勿吾ってりるようだった。そして彼の任務は
 男は囚人に他々ら々い。ビラ々ふドのゲートをくぐっ心
ら先、男K希望を与えてくれるものがあるのだろうか。
 誰かが男を見つめているような気がした。ヾザーの監`
しれない。
 男はゆっくりと光り輝く金属でできた通路を歩いていy
 遠くの方に光点がある。そこまでの距離は遠くにも見乙
も見える。男は手をのぱし、光点をつかむかのように歩t
 突然、男は足もとをすくわれた。というよりも地面が’
た。解放感と欠落感が同時に男を襲っていた。落下して‘
感覚がそう告げていた。t
男の意識は遠のいていった。
  頭がわれるように痛い。私が目ざめた時、目の上にはりす汚れた
 天井があった。小さな部屋だった。
 私はしばらくの間、横たわり私自身について考えていた。今まで
の事は何一つ覚えていない事にしtければ痙らない。持ち物は何も
なく、たた首からふらさがった小さ々ペンダントだけだった。
 小さなハート形で、金でできているようだ。小さな文字が打ち込
まれている。
 私はそれを両手でつかもうとした。衝撃があり、私はベットの上
で気絶しそうに々った。ようやくの事で、それ本来の使い方を思い
出していた。
 誰かかゆり起こそうとしている。
 老人が、一人私の顔を々がめていた。
 「新入り、起きろ」
 男の顔に深く刻まれたしわの一つーつが、男の過去が尋常でなか
った事を物語っている。背が高く、やや猫背だった。
「やっと目覚めたかね」
 男はしたり顔で言った。低音で人の心を揺さぶる者の声だった。
「まあ、ここに慣れるまでは時間がかかるだろう。この世界での生
活もそうむつかしいものではない」寂しい眼だった。
てやっているのさ。そうでも考え産けれぱ生きてはいけ産いからな」
「ここで、この私は一体伺をすればいいというのだ」私の声は疲れ
切った男のそれだった。
 機械的に男は言った。
「ここの穀物の管理さ。といっても実作業はロボソトもいるし、こ
のタワーにある管理セノターでチェノ・クされているからな」
「それじゃ、伺を我々にやらせようというのかね」私の声は心産し
かかすれていた。
「この農場を管理している機械、機構のチェソタさ。機械が完璧に
作動しているかとうかを見ていればいいのさ。簡単な事さ。簡単す
きる」
 老入のつふやきのようにも聞こえた。もっていき所のない怒りで
甦汽瀬弐んにtり俺れか、煽り表側ダみytいtいtち1名
石。か今度は鋭い眼ざしで私を見つめた。
 「が、これだけは言って訟くぞ、新入り」
 男の表惰は厳しく、その顛を私K近づけた。
 「いいか、絶対に自殺しようなんて考えはかこすなよ。確かK俺達
は、昔は上の世界で活躍してきたかもしれん。しかし、今我々はそ
の役割を終えてしまったのだ。いわば、これからは余生といりわけ
だ。気楽に考えろ。いい産。ここでは思いつめて死ぬ奴が多いのだ。
あまりの落差に絶望して産。若人の国と老人の国との差だ。個々人
 「私はいったい・::・」
 私は思わず、降んでいた。演技が必要グっべ自分泌脊.、衣って
いる基盤というものが不確かだったからだ。足を一歩踏み出す度K、
極所r萩少ハfれキQ疫旅にeをち薗い晟盾ジ鼠荼らμs
「そう、分前は、下の世界へ落されてきたのさ。ここは老人の国産
のだよ。か前さん、覚えちゃいないだろうがな。下の世界は俺遠、
老人の国なのだ。上の世界若人の国から追放された者遠の国だ。か
前さん、今までの事はもちろん憧えちゃい々いだろう。ここでは上
の世界での身分や地位は通用しない。もちろん、そんな個人的な事
はすっかり上で消去されているはずだが。地位、身分、それは意味
のない言葉だ、当然この俺も、上の世界で誰だったのか、覚えちゃ
いない。まあ郷に人れば郷に従えだ。この下の世界も悪い所じゃ』な
い。まあ外を見てみろ」
 私の横たわっていた小さな部屋の窓からは一面の畑が見える。畑
は美しい黄金色に輝いていた。私はそれに見とれていた。その黄金
の波は限り々く、地平線まで統いているのでは々いかと錯覚させる。
 この建物は農場の中心に立つ、高い塔のようだった。
 「ここはどこなんだ」
 「ここは収穫の塔さ。あたり一帯が、俺遠が管理しなきゃならん農
場さ。プランテーゾョン陰36だ。この穀物は上の世界のやつらの食
糧だ。早く言えば、上の世界の奴らを、下の世界の我々か食へさせ
の生活史は消去されているはずなのだが、かつての栄光の影が心の
どこかに残っているらしい」
 私は疑問を感じ、男K尋ねた。
「それじゃ、あんたは伺を目的として生きているんだ。誰も目的な
しには生きてはいられないだろう」
 男はしばらく考えていて、やがてニヤリと笑って答えた。
「上の世界の奴らへの復讐さ。例えば、俺達がまだ生きのびている
という事が、生存そのものが奴らへの復讐でもあるのさ」
 男はそれ以上しゃべりたくないようだった。
「まあ、今日、一日は休んでいるがいいさ。明日からは、色々、覚
えてもらわなきやならん事があるから‘な」
 私は一つ、聞き忘れている事に気がついた。
y4wfy 465JStU
「名前だって。ここは下の世界、そんなものは上の世界でしか通用
しない。ここでは我々は単なる記号でしか呼び合わたい。俺はD25。
お前さんの記号吐それだ」
 D25は私のペンダントを指さした。
「Z88だ」
 部屋の外の世界は拡々としてどこまでも、無限にさえ続いている
ように見えるのがせめてもの救いである。私はやがてゆっくりとそ
の青空を々がめた。この上に世界があるのか。

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 私は考えていた。そして疑問が心を占めていた。ここが問題のプ
ラノテーノョンだというのか。第一印象ではそうは見えない。
 私、z88が行tう作業は、確かに単調攻ものだった。
 私は作業用ロボノトを一体連れて、収穫の塔を離れ、収穫用キ々
リヤーであたりの植物群の成育状態を調へるという作業を行なって
いた。収穫キ々リヤーはホーパーぞフフトであり、その運転にはす
ぐなじんだ。
 この農場の外周をなす森林群もまたどこまでも果てしなく続くよ
うに思われる。まるで今の私の心情のようたった。不破かな目的を
持つ男、そしてその目的に疑問を抱く男。
 私はキ々リヤーを運転しながら考え悩んでいた。私はやはり目的
を遂行すべきなのだろうか。私のこの世界への疑問。いや危惧とい
った方かいいたろうか。私はこの世界の支配者というものを疑わざ
るを得々いのだ。
 ブザーがなっていた。私は我にかえった。キ々リヤーのコノクピ
ノト内レーダーが異物の存在を告げていた。かなり大きな物体だ。
近くの低木の繁みにそれは隠されていた。打ち棄てられたキ々リヤ
ーだ。誰かの力で破壊されている。私はまわりを見渡した。ようや
く、私は少し離れた所にある木にぶらさがっている物体に気づいた。
 それは人間だった。人間の体だったものと言った方がいいだろう。
 私はその日のルーテイノリワータを終わり、私達の宿泊所でもあ
る収穫の塔へ戻る。
 収穫の塔は、私が目ざめた所であり、又我々の宿泊所であった。
 下の世界のどこかへ降りてきた老人達は、順次、この世界に点在
するプラノテーノョノヘ送られているらしい。
 D25の指令室へ入り、自殺者の報告をした。
 彼は少しも驚きもせすー・7だ。
「そうか、彼はそんな隋で死んでいたのか」
「彼だって9 身元はわかっているのか」
「わかっている。Z88だ」
 私は狽狽した。
「何!・ それは私の番ほでは次いか」
「Z88か行方不明に次ったから、分前が、中央からここの収穫セン
ターヘ送られてきたんた。仕事のーは一定だからな。人千もそん次
に必要ではたい。つまり人間の量も一定でいいわけだ」
「くそっ、上の奴らめ」私は本当に怒っていた。D25は私の表情を
見て、笑った。
 「怒れ、怒れ、怒りも生きていくために必要な生きがいの一つさ。
Z88、死ぬ次よ。ずっと生き続けて、上の奴らを驚かせてやるのさ。
それに上の世がもそう長くはないだろう」
 私Kはその言葉かひっかかった。
かなり腐敗が進んでいた。
 彼はくびれて死んでいた。明らかに自殺にみえる。
 私はD25の言葉を思い出していた。
 この男は、この世界に絶望し、自ら、首をくくるという古典的作
業で、自らの最期をしめくくったのだ。
 私はレイ=’ガンをホルスターから引き抜き、出力を落として、彼
の死体のぶらさがっている枝を焼き切った。大地へ軽やかな音をた
てて、それは落ちてきた。私はその体を仔細に調べた。ペンダyト
の番号は読めなかった。そして気がついた事かあった。
 私はまわりに火が移らないように気をつけ、出力をあげたレa
ガンで彼の体を焼いた。煙はこの世界から上の世界を目ざしている
ようであった。すべてか灰になる。灰は一陣の風で吹き飛ばされた。
後に小さな器具か残っていた。私はそれを拾いあげた。それから私
は打ち壊わされたキ々リヤー・の方も調べた。
 彼は自らに絶望し、一人でこの森林へ入り、自殺した。が伺に絶
望したというのだ。今の私以上に絶望している者があるだろうか。
 D25が言ったように、この世界へ落ちてきた人間はかなり白最し
ているに違いない。
 役に立たない人間になったと思って。が誰かがわざと絶望させて
いるのかもしれない。下での緩慢な死か、あるいはもっと早く単純
な解決法を選ばせているのでは痙いだろうか。
「うん、それはどういう事だ」
「いや、単忿る勘だ。そう深く考えるな、Z88」D25は言いわけが
ましく言っ・曳。
「しかし、D25、怒りだけで、何年も生きていけるわけではあるま
い。私はそんな自信をもってはいない」
 D25は、猫背をもっと前にかがめて言った。
 「前にも言っただろう。上の世界への復讐という生きるための糧も
あるさ」
 D25は私の方を見ずに言った。彼の肩はふるえている。私はD25
の顔を見ようとした。他にも何か。私にはそう思える。しかし、相
変わらず、彼は無表情のままだった。
 私か少しずつ、この世界へ々じんでいく間にも、他の人々の時計
も動いている。
 仲間の一人、Z90がい々くなった。Z90は私かこの世界へ着いた
後で、送り込まれてきた男だった。しばらくの間、彼は元気に農場
で働いていたのだが。
農場の老人は全員で彼の行方を探した。彼の乗っていたキ、リヤ
ーが、農場の東南端のブ″ゾュに乗り捨てられていた。そこから外
は我4の管轄外である。多量の血がキ々リヤー内K散っていた。
 再ひ、彼の姿か農場内に見受けられる事は左かっか。彼もまたこ
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のノステムの犠牲者と々ったのであろりか。
 数日後、私は秘かにD25のプライペートリルームヘ入り込んでい
た。私は前々から機会をねらっていたのだ。少し調べたい事があっ
たのだ。彼をそんtにも強く生きさせている自信の源だ。何か彼を
そう、この大地K息づかさせているのか。彼にはこのどフンテーゾ
ョン随86の管理者として、かなり広いスペースが与えられている。
 彼の部屋はまるで大学の研究室の様だった。コンソールもあり、
管理センターのコンピューターとつtがっているようだ。さらに実

--
 私はすでに原因を、上の世界が滅びようとしている原因を邪見し
ていたのだが、まだ判然としない所があった。
「Z88、お前もZ90のように死んでもらかうか」
「伺だと、それじゃZ90は」
「そうだ。俺が事故に見せかけて殺した。Z90もマザーのまわし者
だった。幸い自殺者が多いので都合がいい」
「それじゃ、他の自殺者もか前か」
「ばかを言え。マザーのまわし者以外になぜ俺が仲間を殺さねば攻
らんのだ」
験装置が並んでいる。何か、動物実験を行たっていたらしい。ラポ   D25のレイ=ガンが向けられた。出力が最小限Kしてあるのだろ
の偏に、この世界の動物の死体が積みあげられていた。私は彼の秘  う。私がここで死んでは訟かしいのだ。
密を見てしまった。老人の彼が、なぜこんな事ができるのか。
 さらに彼のキ々ピネノトを調べる。古い立体写真が私の目につい
た。彼が若い時の写真らしい。美しい理智的忿女性と肩を組んでい
る。今のD25からは想像もできない幸せそうな表情だった。かかし
い。老人はダスト=・ノュートから落とされる時、何も持ってい左い
はずなのだ。
 人の気配かして私は振り向いた。
 そこにレdガyを構えてD25が立っていた。
「Z88、釦前は見てはいけないものを見てしまった左。お前もマザ
ーのまわし者だったのか」恐ろしい表情だった。
 「ああ、Z88、話の途中だった々。すまん、ちょっと目まいがして。
実は上の世界へ帰れるという可能性がまったくないというわけでは
々いんだ。Z88、それはか前にもわかるだろう。つまり穀物を上の
世界へ送ら左ければ々らん。どこかに各農場の収穫の塔から集積し
た穀物を上へ転送している搬出セyターがあるはずたんだ。その場
所さえわかれば」
 そして、D25にはめすらしく明るい顔で言った。
 「それに、上の奴らに復讐する手だては他にもあるからな」そう、
それは私にもわかっていた。私は、彼の若い時の写真を思い出して
いたか続けて質問をした。
「上の世界への搬出には、下の世界の老人は関与していないのか」
「わがらん。穀物を集めに来るのは、いつもロボ″ト部落だからな。
それにトラノタもか々りの重装備だ」
「その車には近づけんのか」
「だめだ。各トラ″タにはレザJ叫ガン砲塔が載ゥている。前に、
一度そのトラ″タに忍び込もうとした奴がいた」
「で結果は」
「まっ黒こげさ。レザ0ガンの集中砲火をあびて痙」
「それじゃ、基地はわからんわけか」
「残念ながらt」
 レdガンが発射された。が一瞬、閃光が部屋を包み、倒れてい
るのはD25であった。
 私のペンダントは一種の武器でもある。私のぺyダントがレd
ガンの光条をはね返したのだ。
 今の事を憶えてい産いようにするため、私はペンダントを使いD
25の記憶欠落を行なう。
 まだ探らねば痙らない事がある。これはマザーの指令を逸脱して
いたが、私や疑問が残。ていた。
 私は彼を彼の個室から連れ出し、私の部屋へ連れていった。やが
て彼は意識をとりもどした。
 私はこの世界に同化され始めている。時が私の心と体を風化させ
ていくのを感じる。早く結論を得たい。私はあせっていた。
 タワーの窓から外を見ていた私は、空の様子に気かついた。不思
議産物が空から舞い落ちている。白い粉のよう産物だった。
 「伺だ。あの白いものは」私はと産りにいたD25に尋ねた。
 「そうか、お前は、ここでの冬は始めてだった産。あれは雪さ」
 「雪だって」
 D25はタメ息をもらしている。
 「冬か、さて厳しい季節にはいった産」
 「とういう事だね」
 「この世界K、我々の他に、原住民が住んでいる事は前に言って釦
いたね」
「そりだ。外周の森林群をすぎれば、我々の手の届かない地帯だと
聞いている。がその原住民と、冬と伺か関係があるのか」
「我々の農場と、彼らの生活圏は離れてはいるのだが・・・・:冬がやっ
てくると」
「冬が来るとどう産るのだ」
「彼らは、狩猟転怒節としているが、冬場には得物が産いのだ」
「我々の穀物か」
「そりだ。奴らは収穫物をねらいに来る」
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 久忌急速にやって来て、この世界を包み込もうとしていた。我々
は穀物の取り人れを急いだ。が奴らはやってきた。
 収穫の塔の管制室のモニター=スタリーンK数を頼んで突き進ん
で来る原住民遠の姿がはっきりと映し出されていた。農場の境界線
へと近づいてくる。
 我4は彼らをできるだけ傷つけ痙いで追い払わねばならない。我
々はこの星では異邦人にすぎないのだ。
 境界をすきた彼らに電撃が放たれた。境界線の要所、要所に全自
動トーチカが設置されているのだ。
 二、三人の原住民か地面に投げ出された。残りの男達は驚き、後
退する。遠く離れた遮蔽物に隠れて、こちらを伺っている。
 D25の声が作業中の私のヘルメノトに響いていた。
「z88、すまん。今、原住民達を攻撃したトーチカ225を点検しに行
って来れ」
「どりしたんだ」
「トーチカ225の制御機構が急に言う事をきかないようになった。当
分は奴ら、襲ってこ々いと思うか、もし、あのトーチカの電撃鉄が
効かない事に誰かか気づいたら、大変な事になる」
 「わかった」
 急いで、私はキ々リヤーに飛ひ乗り、指示のあった農場東南端の
トーチカ225へ向かった。
 ゆっくりまわりを見渡すと、原住民が大勢いる。見張りの一人が、
私か目覚めた事に気付き、洞窟の臭へ飛んでいく。
 やがて、その原住民は一人の男を連れて来た。
 その男は我々の仲間の一人だった。私の後からあの農場に送り込
まれた男。そうZ90と呼ばれた男だった。
「ようやく、知目覚めかねZ88」
「君があのトーチカ225に仕掛けを作ったな」
 Z90はにやりと笑った。
「その通りさ」
「君は、確か、あのプランテーンョンヘ来てーカ月後、消息を絶っ
た。D25は君を殺したと言っていたが」
「俺が死ぬだと。そう見せかけていただけさ」私は突然ある事に気
づき、叫んだ。
「君は、原住民の頭脳に影響を加えたな」
「知察しの通りだ。がそれは私の仲間の作業でね。知いZ88、いい
かげんにしろよ」
 今まで笑っていたZ90の顔が突然変貌した。
「Z88、いや、ノオン。知前もあの疫病の原因を調べるためにここ
へ来たはずだ。我々は知能からの連絡がないため、業を煮やし、統
いて私へふ鴛Jが下された。下の世界へ降下し、調査しろと々。お前
も知っての通り、上の世界は今まさに疫病で滅びようとしている。

トーチカ225の側にはタワーの管制室のモニターで見た通り、三人
の原住民がのびていた。
 原始的な武器か、彼らの側にころがっていた。いわゆる樟憚とい
う奴だ。
 私は、彼らをそのままKしてかき、トーチカの中へ入った。内部
は小形李宙船のコノタピットを思わせる。メカの集積体である。
 制御機構をチエごクして見た。が不思議だ。このトーチカの防御
ゾステムK手が加えられている。時間ロソタがかかっている。少な
くとも数分間は電撃鉄が侵入者に対して放電されないようになって
いた。それも遠隔装置が添加されている。かなり以前からこうなっ
ていたようだ。とすれば、先刻のスタリーンに映ったのは。私は、
内部の電話K手をかけた。入の気配がした。後を振り返ろうとした
私の頭に衝撃が加えられた。ヘルメノトがへこむのがわかり、目の
前が真暗になった。その瞬間、この事故をしくんだのか誰かかぼろ
け左からわかり始めていた。
 私か目覚めた時も、まだ頭の痛みは去ってはいなかった。
 ここは不衛生極まりない洞窟の中のようだった。薄暗い光があち
こちに輝いている。
 不思議々事に、私の頭の傷口には携帯していた薬を使って処置が
なされているようだった。
その疫病率が加速度的に増加している。原因はプランテーノョン随
86にあるらしいとマザーは推論したのだ。がD25は俺に気づき、俺
を殺そうとした。俺は殺されたふりをして、ここへ隠れた。そして、
頭にち″っとした加工を加えた原住民を連れ、農場を襲い、穀物の
サンプルをうばったんた」
 「俺をどりするつもりだ」
 「分前は上の世界を滅ぼすつもりだろう。原因がわかっていて痙ぜ
報告しなかった。々ぜD25を抹殺し左かった。
 マザーは結論を下した。分前は危険分子だとな。分前はマザーに
対して反逆を分こそうとしている。我4、最高幹部会は、分前の妻、
さらに分前と考えを同じくするものを捕えた。
 可能性のなくなった者が上の世界から追放される。この下の世界
へとな。役たたずが集まるのがこの世界だ。天国と地獄た。いや若
人の国と老人の国と言い々かして分こう。下の世界は可能性のtく
なった人間、つまり下級労働者の集まりだ。ここは、ノオン、分前
や俺連、それにマザーが長年かかって作りあげたノステムだ。それ
なのに、ンオン、分前は我々を裏切った。D25の行動を是認した。
我身の世界を死滅に至らせようとした。理由はたんだ。君はマザー
に対して疑惑を持っている。我々の副造主たるマザーに。々ぜ君は
マザrに対して反逆を行な分うとしているんだ」
「ゼルフィy、よく考えてみろ。下の世界の穀物の搬入はマザーの

私の方を指さしている。彼女の視線は私の胸にあるペンダントK辿
り着く。彼女は何か、動物の尖った歯を材料とした首飾りをしてい
た。私のペンダントに目をつけたらしい。
 見張りの男は、レイ0ガyを手にして、私の方へ近づいてくる。
バリヤーが切られた。
 ペンダントに、その原住民の男の指が届いた。
 一瞬、私の視界は強烈t光に被われた。
 ぺyダノトが強力なエネルギーを放射したのだ。
 私の眼が、物の識別ができるまで、かなりの時間がかかった。洞
窟内の原住民は皆倒れていた。
 私はマザーに対するプランを遂行しなければならなかった。
下の世界へ老人を送り込むのは、今や人口調整の一手段と化して
いるが、昔はそうではなかった。
 下の世界はいわば避暑地であり、上の世界で働き、舶み疲れた人
々の安息の地だったはず々のだ。
 それが今は、まさに無意、無気力の地獄と化している。
 私はこのンステムの刷新を最高幹部会へ提案した。がメンバーの
単もが反対した。私は、このままでは上の世界が破滅に向かりとま
でも警告した。
 私は我々が下の世界でもっと拡がって行くべきだと主張した。下
の世界の方が新しい星としての可能性がある。
た原住民は、私が農場の有様に気をとられているすきに逃げ去って
しまった。私は彼を追りゆとりがなかった。
 我々が手間ヒマかけた穀物が、畑が、灰になっている。私は収穫
の塔へ向かう。途中、作業用ロポツトが、吹き飛ばされ、あちこち
に転がっていた。
 一台、まだ壊れていないキ々リヤーを見つけた。私はキ々リヤー
に乗り、収穫の塔を目ざした。タワーに近づく程、破壊の有様がひ
どくなっていく。
 私達の仲間、数名の老人が倒れていた。ゼルフィンはプ’フンテー
 いや左予感がする。
 収穫の塔の前に散人の原住民が群がっていた。私はペンダントを
用い、彼ら全員を気絶させた。エレベーターに辿り着色、最上層の
管制室へ上っていく。廊下をひた走る。人の声か耳に人ってきた。
 とうやらゼルフィンとD25の声だ。半開きの扉の陰に潜んでそっ
と中をうかかった。誰かもう一人いる。
 「いいかげんに白状しろ。証拠はあがっている」ゼルフィンが声を
あらげている。
 床に転がっているD25が弱々しく応えた。どうやら拷問を受けた
らしい。一人の男の顔は見えない。その影の男が言った。
「釦前は、上の世界で疫病をはやらせた事は認めるな」
i tl&r9t

-40-
-41-
端末コノピューターがやっているはずだ。もし病原菌が混入されて
いた々らぱ、まっ先にマザーか気づくはずだ。いいか、ゼルフ″/。
よく聞いてくれ。マザーこそ我々を滅ぼそうとしているのだ」
「何だと、きさま気が狂ったのか。攻ぜマザーが我々を滅ぼそうと
するんだ。それに病原菌の経路を調べるために我々を下の世界へつ
かわしたのだ」
「それはすでに、発病率が高まっているからだ。あとはドミノ倒し
だ。ゼルフィノ、もう一つ、聞いてくれ。下の世界で人々がよく自
殺しているのは、マザーの影響に違いない」
 ゼルフィノはあきらめ顔で言った。
「わかった。わかった。分前はマザーをそこまで悪者にしたいのだ
な。そして自らを危険分子として認めるわけだな。後の処置はマザ
ーと最高幹部会Kまかせよう」
 ゼルフイノは独りごちた。
「その前にプランテーノョン陰86をかたづけるとするか」
「待て、ゼルフィノ、聞いてくれ」
 数十名の原住民をつれ、彼は洞窟の外へ出掛けて行った。原住民
はレイ0ガンを手にしていた。
 見張りか一人残っている。さらにゼルフィンは私の体のまわりに
バリヤーを張って行った。
 私の近くを原住民の女が通りかかり、見張りの男と何か話した。
40ページ上段
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40ページ上段
端末コノピューターがやっているはずだ。もし病原菌が混入されて
いた々らぱ、まっ先にマザーか気づくはずだ。いいか、ゼルフ″/。
よく聞いてくれ。マザーこそ我々を滅ぼそうとしているのだ」
「何だと、きさま気が狂ったのか。攻ぜマザーが我々を滅ぼそうと
するんだ。それに病原菌の経路を調べるために我々を下の世界へつ
かわしたのだ」
「それはすでに、発病率が高まっているからだ。あとはドミノ倒し
だ。ゼルフィノ、もう一つ、聞いてくれ。下の世界で人々がよく自
殺しているのは、マザーの影響に違いない」
 ゼルフィノはあきらめ顔で言った。
「わかった。わかった。分前はマザーをそこまで悪者にしたいのだ
な。そして自らを危険分子として認めるわけだな。後の処置はマザ
ーと最高幹部会Kまかせよう」
 ゼルフイノは独りごちた。
「その前にプランテーノョン陰86をかたづけるとするか」
「待て、ゼルフィノ、聞いてくれ」
 数十名の原住民をつれ、彼は洞窟の外へ出掛けて行った。原住民
はレイ0ガンを手にしていた。
 見張りか一人残っている。さらにゼルフィンは私の体のまわりに
バリヤーを張って行った。
 私の近くを原住民の女が通りかかり、見張りの男と何か話した。
40ページ上段
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40ページ下段
私の方を指さしている。彼女の視線は私の胸にあるペンダントK辿
り着く。彼女は何か、動物の尖った歯を材料とした首飾りをしてい
た。私のペンダントに目をつけたらしい。
 見張りの男は、レイ0ガyを手にして、私の方へ近づいてくる。
バリヤーが切られた。
 ペンダントに、その原住民の男の指が届いた。
 一瞬、私の視界は強烈t光に被われた。
 ぺyダノトが強力なエネルギーを放射したのだ。
 私の眼が、物の識別ができるまで、かなりの時間がかかった。洞
窟内の原住民は皆倒れていた。
 私はマザーに対するプランを遂行しなければならなかった。
下の世界へ老人を送り込むのは、今や人口調整の一手段と化して
いるが、昔はそうではなかった。
 下の世界はいわば避暑地であり、上の世界で働き、舶み疲れた人
々の安息の地だったはず々のだ。
 それが今は、まさに無意、無気力の地獄と化している。
 私はこのンステムの刷新を最高幹部会へ提案した。がメンバーの
単もが反対した。私は、このままでは上の世界が破滅に向かりとま
でも警告した。
 私は我々が下の世界でもっと拡がって行くべきだと主張した。下
の世界の方が新しい星としての可能性がある。
40ページ下段
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41ページ上段
 彼らは反対し、私を幹部会から追放しようとした。
 かち″うどマザーが、疫病の原因を調べるために下の世界へ降下
せよと命令したのだ。私はち″うどいい機会だと思った。そして私
はマザーに対する疑惑を確信するにいたったのだ。
 私は原住民からレイ0ガンを取り上げ、洞窟の奥へ人っていった。
 そこには医学設備が整っていた。もちろん脳外科関連のものだ。
コンソールやパネル類が所狭しと並んでいた。
 原住民の知能を人為的K進化させていたのだ。その作業を行なっ
たのは誰か、私にはわかっていた。
ゼルフィンはこちら側のピラミノド、つまり受け皿の事を知って  ンョンk86を完全に破壊するつもり左のだろう。
いるだろう。そこのコンピューターとマザーはリレーされているは
ずだ。そこを調べねば々るまい。
 ゼルフィノを見つけ出すのだ。私は急いでプランテーノョン陰86
へ戻る事にした。が方角がまったくわからたい。私は原住民の一人
の息を吹き返らせた。
 乗物かなくプラノテーノ’ンまで原任民を先導させて歩くのは一
苦労だった。
 しかし、やがてどフyテーノョyの方向が私にでもわかるように
々った。空の一部が明るくなっていたからである。
 農場は燃えあがっていた。
 境界齢のトーチカがあちこちで破壊されている。案内役にしてい
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 彼らは反対し、私を幹部会から追放しようとした。
 かち″うどマザーが、疫病の原因を調べるために下の世界へ降下
せよと命令したのだ。私はち″うどいい機会だと思った。そして私
はマザーに対する疑惑を確信するにいたったのだ。
 私は原住民からレイ0ガンを取り上げ、洞窟の奥へ人っていった。
 そこには医学設備が整っていた。もちろん脳外科関連のものだ。
コンソールやパネル類が所狭しと並んでいた。
 原住民の知能を人為的K進化させていたのだ。その作業を行なっ
たのは誰か、私にはわかっていた。
ゼルフィンはこちら側のピラミノド、つまり受け皿の事を知って  ンョンk86を完全に破壊するつもり左のだろう。
いるだろう。そこのコンピューターとマザーはリレーされているは
ずだ。そこを調べねば々るまい。
 ゼルフィノを見つけ出すのだ。私は急いでプランテーノョン陰86
へ戻る事にした。が方角がまったくわからたい。私は原住民の一人
の息を吹き返らせた。
 乗物かなくプラノテーノ’ンまで原任民を先導させて歩くのは一
苦労だった。
 しかし、やがてどフyテーノョyの方向が私にでもわかるように
々った。空の一部が明るくなっていたからである。
 農場は燃えあがっていた。
 境界齢のトーチカがあちこちで破壊されている。案内役にしてい
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41ページ下段
た原住民は、私が農場の有様に気をとられているすきに逃げ去って
しまった。私は彼を追りゆとりがなかった。
 我々が手間ヒマかけた穀物が、畑が、灰になっている。私は収穫
の塔へ向かう。途中、作業用ロポツトが、吹き飛ばされ、あちこち
に転がっていた。
 一台、まだ壊れていないキ々リヤーを見つけた。私はキ々リヤー
に乗り、収穫の塔を目ざした。タワーに近づく程、破壊の有様がひ
どくなっていく。
 私達の仲間、数名の老人が倒れていた。ゼルフィンはプ’フンテー
 いや左予感がする。
 収穫の塔の前に散人の原住民が群がっていた。私はペンダントを
用い、彼ら全員を気絶させた。エレベーターに辿り着色、最上層の
管制室へ上っていく。廊下をひた走る。人の声か耳に人ってきた。
 とうやらゼルフィンとD25の声だ。半開きの扉の陰に潜んでそっ
と中をうかかった。誰かもう一人いる。
 「いいかげんに白状しろ。証拠はあがっている」ゼルフィンが声を
あらげている。
 床に転がっているD25が弱々しく応えた。どうやら拷問を受けた
らしい。一人の男の顔は見えない。その影の男が言った。
「釦前は、上の世界で疫病をはやらせた事は認めるな」
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「そう、俺が穀物に菌を添付したのだ」
「それで、釦前はそれに対する治僚薬も考え出したのだろりな」
 D25はゼルフィンの方へ体を向け、ほかから血をしたたらせなが
ら、例のにやり笑いを見せた。
「残念だが、ない」一言しゃべる度に口から血がしたたり落ちる。
「何だと」怒ったゼルフィンがD25の下腹をけり上げた。D25は床
K血ヘドを吐く。
「下の世界にしか存在しない病原体た。上の世界では手の施しよう
かあるまい」
「きさま、老人では々いな」ゼルフィyが絶叫・した。顔か紅潮して
いる。影の男か言った。
「きさまの訟かげで、何人もの若人が死んでいるんだぞ。何も感じ
ないのか」
「思わないね’これは俺の、この社会ンステムヘの復讐だからな」
「復讐たと1‐」
「このノステムの訟かげて多くの友人達か、下の世界に絶望して死
んでいったんだ。それに俺の恋人も・::」
 私は、彼の部屋で見た写真を思い出していた。
 「それは彼らの可能性が消滅したからさ」
 「違うそ。ポテンンャルかある者もダスト=ンュートヘほ釦り込ま
れた。マザーに対する危険分子としてな」D25は泣いていた。
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 「こんな所で時間をくっているわけにはいかん。病原菌について、
彼のラボのコンピューターからデータを収集しょう。それから対策
をねろう」ゼルフィンが言った。
 「このD25はどうします」影の男が言った。
 「もうこの男に用はない。処分しろ」
 「待て」私は思わず叫び、レイ=ガンを腰だめKして管制室へ飛び
込んでいた。
 影の男がこちらへ顔を向けた。
 「か前は1」その男は、私と同じ顔をしていた。
 「私は君たよ」その男は静かに言った。
 「………」
 横からゼルフィンが口を出した。
 「驚いたかね。ゾオン。この男もノオンなのだ。/オン=ダノノュ
と言った方かいいか。この下の世界へ降下する前、最高幹部会の依
頼を受ける前に君はかなり悩んだはずだ。君はマザーに対して疑問
を感じていたからね。苦しみ夢をも見たはずだ。それが君の家の個
人コンピューター回路がリレーして、マザーに伝えられたのだ。君
の思考を読みとったマザーは自己自衛機構を作動させた。マザーに
対しての君の思想の危険性をチエごタし、それから推論した」
 目の片隅でD25がゆっくり動いているのがわかった。彼は床の下
にある小さなレ″ド=ボタンを押した。長弁舌をふるっているゼル
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フィンは気かつかない。
「それゆえ、yザーは君の部屋にあった皮膚の一片からタローン入
間を造りあげたのだ。枝かそれだ。このソオン=ダ″ノュは上と下
の世界の秩序を保全しjワと努力している。枝は私を助けるために
この世界へ私と共に降りて来ていたんだ」
 「近よると、射つぞ」私は叫ぶ。
 「ほう、射ってみたまえ。君にこの私か射てるのかね」ノオン=ダ
 ″ノュか冷たく言った。もちろん、私民枝が射てるはずかない。
 一入の対決に気をとられていたゼルフィンにD25が死力をつくし
て飛びかかった。
 「Z88、逃げろ、このタワーから逃がれるんだ。白煽装置のスイ″
チをいれた。こいつら民は病原体の事は探り出せないんだ」
 D25は叫んだ。ゼルフィyはD25ともみあっている内に銃を放っ
た。D25はうめいた。肉のこげる臭いがした。D25の右肩が完全に
炭化している。その時、私の銃をゾオン=ダソノュがたたき落とし
た。
 D25はわずかに頭を持ち上げた。

●4行ぬけあり●
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 エレベーターで降下しながら、私はゼルフィyに尋ねた。口にす
るのも恐るべき事だが。
「ゼルフ″ン、か前、下の世界から老人を一掃するつもりではない
たろうな」
 ゼルフ″ンは鼻で笑った。
「ふふ。よく感ずいたな。その通りさ。そう最高砕‥部会とマザーに
提案する。これより先、下の世界では老人を使わない」
「それじゃ、老人はダスト=ノュートからどこへ投げ出されるのだ」
「回収不能の宇宙空間へだ」
「くそっ、老人を皆殺しにする気か」
「我々、上の世界が生き残っていくには、切々捨てる事も必要だ」
「それじゃ、食糧の確保はどうするつもりだ」
「原住民の頭脳をもっと進化させる。それにロボ″トを補助させれ
ば、事は足りるはすだ。さあ、もうわかっただろう。もう君が手を
出す段階ではないのだ」
 タワーの下に軍用ホーバーぞフフトかやってきていた。原住民の
姿は消えていた。
「無念だ。Z88、必ずこの下の世界を楽園にしてくれ。頼む・ 」  「この世界の見収めになるだろう。よく見てかけ」
 D25は私にそう言い残して、逝った。
「残念だ忿、ノオン。それじゃ、俺達と一緒に上の世界へ戻っても
らかうか。時間かない」
 後から二台の武装ホーバーぞフフトか続く。内には戦闘ロボノト
を満載している。
 大きな爆発音と閃光か襲ってきた。
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